会社情報

　菊乃香酒造は、1882年10月（明治15年10月）、本家樫村家子孫 樫村菊太郎によって、この茨城県日立市十王町に創業し、初代銘酒“常陸菊”の誕生から、1世紀半を迎えます。

　日立市は海岸線から望む青く澄みわたる美しい太平洋と、阿武隈山系のすばらしい山並みに囲まれ、豊かな自然が四季を美しく彩ります。わたしたちの蔵のある十王地区には、湧水を水源とする清流、十王川が流れ、上流山間部ではヤマメや回遊型カジカ等が見られ，下流平地部ではギンブナやオイカワ等が生息するとともに，サケやアユの遡上が見られます。

　この素晴らしい自然に恵まれた日立の土地に生まれた、創業者である菊太郎は、穏やかで堅実な人柄で、地域社会や人々の暮らしを豊かにするため多くの事業を牽引し、地域の人々に愛されておりました。菊乃香酒造は、創業以来、社会貢献と酒造業界の発展のために尽力してまいりました。

　2代目の樫村嘉助の時代、1915年11月、御大礼式典が行われるにあたり、菊乃香の酒が宮内庁からお買い上げ品としての評価をいただくという栄誉を受けました。これを機に日本の皇室の象徴である菊、満開の菊の花弁、そして芳醇な酒の香りを強調した酒として、銘柄“菊乃香”が誕生いたしました。1932年（昭和7年2月）には、晩清末代皇帝の弟「愛新覚羅溥傑」氏が来社され、その際に銘酒“菊乃香”の酒を淡麗な味、芳醇な香りといって謳歌されたという大変名誉なお話も伝わっております。

　私は、この歴史ある菊乃香の酒造りへの情熱と、人々の心に響く味わいを継承し、現在、私は5代目として、代表および杜氏の職務に就いています。今、私たちは創業140年の節目を前に、更なる情熱を持って、新しいステージを目指しています。

　世界の多くの人々へ、受け継がれる“菊乃香”の酒を届けるため、東京の中心銀座に、菊乃香銀座ビルを開業します。そして、私たちの酒で、皆様の心を悦びで満たせるよう 、常に精進し、こだわりの酒を追求し続けます。